こんにちは、組織開発グループの榎本です。
弊社の技術顧問にはまつもとゆきひろ(通称・Matz)さんがおり、Matzさん(以下、親しみも込めてMatzと表記します)とは定期的に「Matz会」と称して、Google Meetを繋いでリモートミーティングを開催しています。
Matz会のテーマは多岐にわたりますが、「毎回Matzとどんな話をしているの?」と気になっている開発者の方もいるかもしれません。本記事では、過去のMatz会開催実績を元に、その内容の一部をお伝えできればと思います。
講演の再演
過去のテーマ例:
- RubyKaigi Keynote の再演
- Matzが登壇したイベントの講演の再演
- Matzチャンネルで話していたトピックの再演
一番わかりやすいのはこちらでしょうか。全員が全員、RubyKaigi現地に足を運んで、生Matzのキーノートを聴けるわけではないので、RubyKaigi閉会後すぐにMatzに再演してもらえるのは良い機会となりました。
tech.medpeer.co.jp👆️RubyKaigi閉会後に行った感想戦の様子
過去に好評だった会でいうと、「動的型付け言語と大規模開発」の再演は、Matzの型に対する考え方を深く聞くことができました。
Rubyの最新機能の解説
過去のテーマ例:
- YJIT
- Prism
- 次期Rubyバージョン解説
最新バージョンのRubyで導入される技術について、Matzに解説をしてもらいました。Rubyのリリースノートだけでは知ることのできない導入経緯(なぜその機能が入ったか、どんな課題を解決したいのか)や裏エピソード(Rubyコアチーム内でどんなコミュニケーションがあったのか)などが聞けて良かったです。
Rubyのコア技術の解説
過去のテーマ例:
- YARV について
- Ruby GVL について
- Ruby GC の仕組み
このあたりの話を完全に理解するには、コンピュータサイエンスの知識も必要になってくるので、なかなか難しいテーマではありました。しかしエンジニアの知的好奇心を刺激する良いテーマだったと感じています。ときに話題はCRubyの内部実装に及ぶこともあり、Rubyエンジニアにとっては話についていくのでイッパイイッパイ、という人も多かったようです。
OSS
過去のテーマ例:
- OSSへの貢献方法
- Rubyのコミュニティ運営について
- Rubyの新機能の意思決定について
OSS貢献未経験のエンジニアから「OSSに貢献したいけど貢献の仕方がわからない...」「OSSに貢献したいけどどうしたらいいの?」という声があり、それに対してMatzからいろいろアドバイスを貰えたのは良い機会でした。今後社内からOSS貢献するエンジニアが増えていくといいなと考えています。
Rubyのコミュニティ運営についても伺いました。個人的にあまり表に出てこないRubyの意思決定(新機能のAccept、あるいは提案のReject)の裏事情的な話が聞けたのが良かったと感じています。Rubyの進化の裏にあるMatzの様々な葛藤を垣間見ることによって、Rubyというプログラミング言語の存在の有り難みを改めて感じることができました。
キャリア論
過去のテーマ例:
- エンジニア・キャリア戦略
- AIと開発者の今後
Matzの考えるキャリア戦略について語ってもらいました。キャリアに関しては若手からシニアまで悩む開発者が多いと思うので、キャリアに迷う開発者にとって参考になる話だったと思います。
昨今のAIトレンドも取り入れて「AIと開発者の今後ってどうなると思う?」みたいなテーマについても語っていただきました。
Matzへプレゼン
過去のテーマ例:
- 弊社メンバーが作成した LTをプレゼン
- 弊社の事業紹介をプレゼン
弊社メンバーが過去に行った発表内容や弊社の展開している事業について Matz にプレゼンテーションを行う機会を設けました。Matzから内容について直接フィードバックいただける良い機会になりました。
tech.medpeer.co.jp👆️MatzにRubyKaigi関連LTをプレゼンする様子
その他
過去のテーマ例:
- Matzの開発環境について
- Matzに何でも質問コーナー
- mrubyについて
エンジニアとしては、Matzが普段使っているPC、OS、キーボード、デスク環境など気になる方も多いのではないかと思います。そのあたりの開発環境について掘り下げさせてもらいました。
またMatz会では毎回最後に「Matzに何でも質問コーナー」のような質問時間を設けています。この時間では時間の許す限り、弊社メンバーから思い思いのMatzに聞きたいことをぶつけています。生Matzをカンファレンスで見かけることはあっても、時間をとってもらって直接質問する機会はなかなか訪れないので、メンバーにとっては嬉しい機会になっていると感じます。
そしてMatzさんは月一でWeb会議を開いて頂いているので、そこで毎月疑問などをぶつけられます。(中略)こう言った著名な技術顧問の方がいるおかげで会社全体の技術力の底上げになっていると思います。 Railsの実装やRuby内部のことが気になった際にすぐに質問できるという環境はエンジニアにとってものすごく良い環境だと思っています。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
本記事で紹介したテーマは、Matz会運営チームが中心となって決めています。運営チームとしては、Rubyのコアな技術話からキャリアや開発環境などのカジュアルなテーマまで、幅広い開発者に楽しんでもらえるようなテーマ設定を心がけています。こうすることでジュニアレベルのエンジニアからシニアレベルのエンジニアまで、またRubyエンジニアから普段Rubyを使わないエンジニアまで、楽しんでもらえるテーマ設定になっていると思います。
本記事で紹介したトピックをMatzから直接聴きたい!という方がいらっしゃれば、ぜひ弊社への入社をご検討いただければと思います!
是非読者になってください!
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